毎日、地球上で50もの火山が噴火しています 気象学 気象・大気環境 世界各地の火山活動がもたらすものは、日常生活に支障をきたすという劇的なニュースだけではありません。火山は、私たちに肥沃な土壌や快適な大気環境を提供し、日々の暮らしに役立っているのです。米国のスミソニアン博物館のGlobal Volcanism Program(英語ページ)では、継続的で活発な火山噴火について調査しており、1日に約50の火山がさまざまな噴火の段階を迎えていることが分かっています。彼らが噴火を「継続的」とするとき、少なくとも3ヶ月以上中断なく、断続的に噴火が起きていることを示しています。このうち約20の火山は、日々活発な噴火を繰り返していると考えられています。噴火している火山周辺の様々な現象やパラメータを観測することで、噴火の原因や結果について知識を深めたり、周辺地域への噴火の影響に備えたりすることができます。ヴァイサラの観測技術は、火山活動の影響を観測する上で重要な役割を果たしています。火山灰の危険性を軽減するためにヴァイサラ CL61ライダーシーロメータによる偏光解消計測機能は、地域社会とその経済に大きな影響を与える可能性のある火山灰プルームの追跡を可能にするデータを提供します。CL61がどのように高品質のプロファイリングデータを提供し、煙、火山灰、砂煙などの粒子の追跡、数値気象予報(NWP)モデルの改善、着氷性降雨の状況把握に必要な洞察を提供しているかは、最新のブログ(英語ページ)をご覧ください。CL61ライダーシーロメータは現在、スペインのラ・パルマ島にあるクンブレ・ビエハ火山の噴火に伴い、大気中の火山灰を計測中です。今後、興味深いデータを公開する予定ですのでご期待ください。ライダーによる埃・火山灰のモニタリング埃や火山灰の観測には、シーロメータに加え、ヴァイサラ WindCube Scanスキャニングライダーなどの地上型ライダーが使用されています。最近の研究(英語ページ)では、強風時や火山噴火時に高高度のダストイベントが頻繁に発生するアイスランドにおいて、これがいかに興味深いものであるかを実証しています。火山性や堆積性エアロゾルのモニタリングは、航空安全の向上など、意思決定者に重要な情報を提供することができます。火山プルームの帯電と拡散の研究ヴァイサラのラジオゾンデは、火山プルームを通過する大気の鉛直構造を提供するために、電荷センサなどの追加センサとともに研究活動に使用されています。例えば、イタリアのストロンボリ島での観測活動(英語ページ)では、様々な独立した観測技術を使用して、噴火している火山の上空の弱い火山プルームでさえ、火山灰が検出されない場合でも実質的に帯電することがあることを初めて実証したのです。このことは、火山プルーム中の火山灰粒子の寿命やプルーム全体の化学反応性に影響を与え、ひいては火山噴火の環境影響を理解する上で重要となります。これらの研究は、火山プルームの拡散に関するより正確なモデリングに貢献しています。また、ラジオゾンデは例えば、ラ・パルマ島のクンブレ・ビエハ火山(スペイン語ページ)では、気温、湿度、気圧、風速、風向などの気象データを提供するために使用されています。これらのデータにより、非常時の大気の鉛直構造を確認することができ、周辺住民の安全確保に役立っています。火山雷を理解する従来の雷雨では、雲の中を上下に移動する空気によって雨粒や氷晶、霰などが衝突することで雲の中に電荷が発生し、その電荷が十分に大きくなると、電荷とのバランスを取るために雷が発生します。火山雷は、爆発的噴火の際に火山灰と岩石が衝突し、静電放電が発生します。GLD360のような長距離雷探知ネットワークは、雷を伴う火山噴火の特定に役立ちます。火山噴火から収集された雷のデータは、火山学者や大気科学者が噴火をより理解するのに役立ち、火山監視のための貴重な資料となります。小アンティル諸島のセントビンセントにあるラ・スフリエール火山、インドネシアのアナク・クラカタウ島(英語ページ)、グアテマラのフエゴ火山(英語ページ)における火山雷に関するブログをご覧ください。気象レーダーで少量の火山灰をも検出二重偏波レーダーは、その性質と動作特性から、晴天から曇天、穏やかな状況から強風、乾燥から高湿、日中や夜間など、さまざまな条件下での灰の検出に特に適しています。山火事の煙と灰のレーダー観測(英語ページ)については、火山灰の検出にも気象レーダーデータを利用できる可能性を示しています。日常的な大気環境のモニタリング - 例外的な状況下でも大気環境は、よりスマートで健康的な地域社会を作るために重要な要素であり、天候やその他の大気条件と関連しています。ヴァイサラの大気環境観測技術は、重大な汚染ガスや粒子状物質を測定します。毎日の天候や、山火事や火山噴火のような極端な状況についてのリアルタイムデータで補完すれば、世界中の都市コミュニティは人々を守るための行動をとる準備を整えることができるのです。