サウンディングデータの継続性 ページセクション RS41のデータ継続性RS41とRS92のデータ継続性比較RS92のデータ継続性 RS41のデータ継続性 以下の表とデータ継続性に関する文書は、ヴァイサララジオゾンデRS41ファミリーと関連する地上機器における主な変更点を示しています。 標準的な場合、測定結果に及ぼす影響はサウンディングの総合不確かさに比べて小さいです。 また、影響を及ぼさないとヴァイサラが考える主な変更点については、時系列にリスト化した上で「データ継続性に影響なし」と記しています。 データ継続性の資料を利用するには、サウンディングシステムに関する以下の情報が必要です。 調査対象時間内に使用したラジオゾンデの機種とシリアル番号 注:シリアル番号には、ラジオゾンデのハードウェアとソフトウェアの組み合わせが明確に定義されています。 調査対象時間内に使用した地上機器ソフトウェアのバージョン 識別用データは以下の資料で確認することができます。 MW51 Sounding Software Version Number, 202446.6 KB Vaisala Radiosonde RS41 - Technical Changes49.05 KB White Paper: Vaisala Radiosonde RS41 E-models6.28 MB ラジオゾンデのシリアル番号から識別できる変更点 2017年10月 | RS41 | RS41のカバー改良 | データ継続性に影響なし カバー改良により、RS41のプラスチック製ハードカバーをEPS(発泡ポリスチレン)製のカバーに変更しています。 RS41ラジオゾンデのカバー改良による、サウンディング操作とラジオゾンデの測定性能に関しての変更点はありませんが、環境保護の観点からみると重大な変更です。 プラスチック製ハードカバー使用のバージョンと比較し、カバー改良後のRS41のプラスチック含有量は47%低減し、重量は27%軽減されました。 ホワイトペーパーに記載のフライトデータ比較で、この変更内容がRS41の測定性能に影響しないことが示されています。 ページセクション RS41のデータ継続性RS41とRS92のデータ継続性比較RS92のデータ継続性 RS41とRS92のデータ継続性比較 気候学的時系列におけるRS92からRS41への切り替えの影響は中程度であると推定されています。 RS41のデータ精度が改善されたことによる平均測定値への影響は、データの一貫性または再現性への影響ほど大きくありません。 比較結果によると最も影響を受けた平均値は、熱帯気候下、特に上部対流圏の高湿度条件下における湿度測定の平均値でした。 RS92とRS41の統計的差異は、下記のホワイトペーパー「Comparison of Vaisala Radiosondes RS41 and RS92(ヴァイサラジオゾンデRS41とRS92の比較)」で、サウンディング試験結果を用いて説明されています。 Comparison of Vaisala Radiosondes RS41 and RS92636.84 KB ページセクション RS41のデータ継続性RS41とRS92のデータ継続性比較RS92のデータ継続性 RS92のデータ継続性 以下の表とデータ継続性に関する文書は、ヴァイサララジオゾンデRS92ファミリーと関連する地上機器における主な変更点を示しています。 すべての場合において、測定結果に及ぼす影響がサウンディングの総合不確かさに比べて小さくなっています。関連する性能仕様はヴァイサララジオゾンデRS92-SGPのカタログに記載されています。また、影響を及ぼさないとヴァイサラが考える主な変更点については、時系列にリスト化した上で「データ継続性に影響なし」と記しています。 データ継続性の資料を利用するには、サウンディングシステムに関する以下の情報が必要です。 調査対象時間内に使用したラジオゾンデの機種とシリアル番号 調査対象時間内に使用した地上機器ソフトウェアのバージョン 識別用データは以下の資料で確認することができます。 Instructions for Reading the Radiosonde Serial Number From the Type Label62.02 KB Instructions for finding out the DigiCORA sounding software version number32.54 KB Vaisala Radiosonde RS92 technical changes24.91 KB ラジオゾンデのシリアル番号から識別できる変更点 2004年4月 | RS92 | 湿度センサの温度依存性に対する補正の微調整 | U 湿度測定における温度依存性に対する補正の改善 2004年4月6日より実用化開始 旧データは、次の式により新データに対応するよう補正することができる。 corrected humidity reading formula ここでは、 Um = 湿度の測定値 US = 飽和湿度 dUS = 飽和時の湿度補正 dU0 = 相対湿度0%時の湿度補正 T US dUS dU0 T US dU0 dUs C° %rh %rh %rh C° %rh %rh %rh 40 100.0 -1.1 -0.1 -30 74.6 0.0 -1.9 30 100.0 0.2 -0.1 -35 71.0 0.0 -2.4 25 100.0 0.5 0.0 -40 67.6 -0.1 -3.0 20 100.0 0.8 0.0 -45 64.3 -0.2 -3.7 15 100.0 0.8 0.0 -50 61.1 -0.2 -4.4 10 100.0 0.8 0.0 -55 58.2 -0.3 -5.1 5 100.0 0.7 0.1 -60 55.4 -0.5 -6.0 0 100.0 0.5 0.1 -65 52.9 -0.6 -7.0 -5 95.2 0.2 0.1 -70 50.4 -0.8 -8.2 -10 90.8 -0.2 0.1 -75 48.2 -0.9 -9.4 -15 86.5 -0.6 0.1 -80 46.1 -1.1 -10.6 -20 82.3 -1.0 0.1 -85 44.2 -1.3 -11.8 -25 78.4 -1.4 0.0 -90 42.4 -1.4 -12.8 2005年3月 | RS92-SGP | -60ºCの下限まで湿度センサのパルス加熱を継続 | U 凍結したセンサは、下層大気の詳細な湿度プロファイルを正確に測定することができません。高層大気中では、実際より高い湿度読み取り値を示します。 ヴァイサララジオゾンデRS92は、2枚の薄膜湿度センサを搭載しています。1枚のセンサが湿度の測定を行っている間にもう1枚のセンサが加熱されます。この加熱機能により、センサに対する凍結と結露の影響が低減されます。このため、雲から出た時にも信頼性の高い湿度測定が行えます。 ヴァイサララジオゾンデRS92-SGPの発売時には、ラジオゾンデの周辺温度が-40ºCに達すると交互加熱はオフになる構造でした。2005年3月以降、加熱機能が-60ºCまで持続するようになりました。この機能は、2005年にモーリシャスで行われた世界気象機関(WMO)によるラジオゾンデの相互比較にも使用されました。この改良により、気温が-40ºCから-60ºCの高湿度条件におけるサウンディングでの湿度測定の信頼性が高まりました。 2006年9月 | RS92-SGP | 湿度センサ接点のコーティング改良 | U アタッチメントの改良により、日射による温度上昇を低減しています。 相対湿度は湿度と温度の関数です。 日中のサウンディングでは、湿度センサとその接点が周囲の空気より暖かくなります。結果として、相対湿度は実際より低い数値で示されてしまいます。 このような効果は、上部対流圏と下部成層圏において、特に湿度が高い状態の時に顕著になります。このような場所でも、コーティング改良後のラジオゾンデは、以前のコーティングに比べて5~6%高い相対湿度の数値まで測定します。 この新しいコーティングは、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」で使用されました。 2007年9月 | RS92 | 温度センサの補強 | T 石英ファイバーがセンサ構造の中に一様に組み込まれています。 これにより機械的強度が5倍に増加しました。 ブームフレームがないためセンサの換気性が向上し、熱質量とセンサ表面積の増加が相殺されます。 ブームフレームを取り除いたことにより、以前のツインサウンディングに見られた温度の変動が低減されています。 この現象の詳細については右記をご参照ください。ヘビーリギング時の10hPaを超える状態における温度フィルタリング 強化型センサは2007年からご提供しており、センサの機種はラジオゾンデのシリアル番号から識別できます。 温度センサの構造 旧センサと強化型センサの時定数 2008年6月 | RS92 | センサブームのコーティング改良 | U,T | データ継続性に影響なし 温度センサの構造 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲の温度センサには変更がないため、温度測定に影響はありません。 湿度についての影響は、あるとしてもプラスの影響です。テストフライトでは生じた差異が再現性の限界内に収まっています。 この改良は2008年中頃に実用化されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からコーティング方法を確認することができます。 2010年11月 | RS92 | センサブームの接点を改良 | U,T | データ継続性に影響なし センサブームの接点のコーティング材を銅から金にすることで、接点を強化し、エイジングなどから守ります。 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲のセンサには変更がないため、この改良による温度測定および湿度測定への影響はありません。 この改良は2010年秋から徐々に実用化が開始されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からブームに使用されている接点を識別することができます。 センサブームの接点の改良(表面) センサブームの接点の改良(裏面) DigiCORA®サウンディングシステムのソフトウェアバージョンまたはユーザー設定から識別できる変更点 2005年11月 | 温度センサ用日射補正表の改訂 | T 日射補正表RSN2005 ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整 新しい日射補正は、2005年2月にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム相互比較(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」において検証されました。 日射補正表RSN2005 注: 上記の表には、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表の補正値が示されています。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 RSN2005表とRSN96表の差異 注: 上の表は、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表と最初のRSN96表との差を示しています。 ほとんどの場合で補正値が増加しているため、この変更の影響としてレポート気温を減じることになり、その結果高度を低く算定することになります。 100hPa以下の場合の変更値は0.05ºC未満であり、30hPa以上の場合は約0.2ºCになります。 2010年11月 | 地上高層実況気象通報式(TEMP)湿度測定レポートの範囲を-100ºCまで拡大 | U | データ継続性に影響なし 多くの気象機関で、通常、低温時の湿度データをTEMPメッセージから除外しています。センサの設計にかかわらず、最も一般的な低温限界は–40ºCとされています。 ヴァイサラは長年にわたり、高分子素材を使用した湿度センサの改良を続けてきました。ヴァイサララジオゾンデRS80型については、すでに性能が大幅に改善されています。そしてヴァイサララジオゾンデRS92ファミリーのセンサ品質も向上し、温度限界をなくすことを提唱できるようになりました。 ヴァイサラではユーザーに対して、RS92ラジオゾンデでは–100ºC、RS80では–70ºCに温度限界を変更するよう推奨してきました。 New Temperature Limit for Humidity Data Reporting in TEMP Message(TEMPメッセージによる湿度データ記録の新温度限界) (pdf, 53KB) 2008-08 | オゾンのサウンディングおよびヘビーリギングによるテストフライト時のサウンディングにおける10hPaを超える状態下の温度測定要件を考慮した、フィルタリング・アルゴリズムの修正 | T さまざまなサウンディング試験で用いられるテストフライト・リグに吊されるラジオゾンデの動きは、フライトで(気球に直接装着された)個々のラジオゾンデによる動きと同じではありません。 動きが遅いと気温の指示値の変動が高めになります。つまり、温度センサの温度が短い時間内に周囲空気より暖かくなります。この現象は高度が非常に高い場合にのみ見られます。 オゾンのサウンディング装置は通常のRS92ラジオゾンデよりずっと重いため、この場合にも同じ現象が起こります。 オゾンのサウンディングとリグ試験における遅い動き向けの要件を考慮して、実際の観測値をレポート値にフィルタリングするソフトウェアを改良しました。 詳細については、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」の最終報告書をご覧ください。 2010年12月 | 湿度測定アルゴリズムの改良 | U センサの反応時間および日射によるセンサの加熱を考慮に入れ、湿度測定アルゴリズムを改良しました。改良前には、日射がセンサを加熱することにより、高所での湿度読み取り値に乾燥バイアスがかかることが示されていました。 アルゴリズムの影響が最大となるのは、湿度プロファイルおよび圏界面高度に依存しますが高度約10〜15kmにおける日中のサウンディングです。 この新しいアルゴリズムは、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 熱帯条件における、カラム積算水蒸気量への影響の例 17日間の日中サウンディングおよび18日間の夜間サウンディングを含む 日中サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で59.3kg/m2、旧アルゴリズム使用で57.4kg/m2でした。 夜間サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で60.4kg/m2、旧アルゴリズム使用で60.4kg/m2でした。 熱帯条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(熱帯条件下) 高緯度条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(高緯度条件下) 熱帯条件におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 高緯度条件下におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 高緯度条件下での日中フライト(50回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。さらに同テスト結果によると、SWに基づいた新補正を有効にした場合にも、ヴァイサラRS92ラジオゾンデ湿度センサの性能は高い再現性で保たれていました。 サウンディングの再現性 新アルゴリズムを使用した高緯度条件下でのツインサウンディングと標準偏差との差異 左 = 日中、25回のフライト 右 = 夜間、5回のフライト 2010年12月 | 日射補正表RSN2010の改訂 | T ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整を行いました。さらに、日射補正アルゴリズムの改良によりフライト中のラジオゾンデの換気性が考慮されるようになりました。 新しい補正表は、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 温度センサ用日射補正表RSN2010 注: DigiCORA®サウンディングソフトウェアのバージョン3.64を対象としたRS92用の日射補正表RSN2010 上記の表に示した補正値は、気圧と太陽高度の関数です。実際の補正にはラジオゾンデのフライト中の換気性も考慮されますが、上記の表における数値は標準の換気性5m/sをもとに計算した結果です。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 温度センサの日射差異表(RSN2010 - RSN2005) 日中の熱帯条件下におけるサウンディング連続統計の例 日中における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005) 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.3m/s、標準偏差0.4m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 高緯度条件下での夜間サウンディング統計の例 夜間における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005)。高緯度条件下での日中フライト(30回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.2m/s、標準偏差0.2m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。検証により、再現性は良好なレベルで保たれていることが証明されています。 サウンディングの再現性 高度緯度条件下のフライト(25回分)でツインサウンディングによって新計算と旧計算を使用した場合の標準偏差からの差異。 サウンディングの平均上昇速度は5.3m/s、サウンディング間の標準偏差は0.3m/s。気球の紐の長さは50m。
RS41のデータ継続性 以下の表とデータ継続性に関する文書は、ヴァイサララジオゾンデRS41ファミリーと関連する地上機器における主な変更点を示しています。 標準的な場合、測定結果に及ぼす影響はサウンディングの総合不確かさに比べて小さいです。 また、影響を及ぼさないとヴァイサラが考える主な変更点については、時系列にリスト化した上で「データ継続性に影響なし」と記しています。 データ継続性の資料を利用するには、サウンディングシステムに関する以下の情報が必要です。 調査対象時間内に使用したラジオゾンデの機種とシリアル番号 注:シリアル番号には、ラジオゾンデのハードウェアとソフトウェアの組み合わせが明確に定義されています。 調査対象時間内に使用した地上機器ソフトウェアのバージョン 識別用データは以下の資料で確認することができます。 MW51 Sounding Software Version Number, 202446.6 KB Vaisala Radiosonde RS41 - Technical Changes49.05 KB White Paper: Vaisala Radiosonde RS41 E-models6.28 MB ラジオゾンデのシリアル番号から識別できる変更点 2017年10月 | RS41 | RS41のカバー改良 | データ継続性に影響なし カバー改良により、RS41のプラスチック製ハードカバーをEPS(発泡ポリスチレン)製のカバーに変更しています。 RS41ラジオゾンデのカバー改良による、サウンディング操作とラジオゾンデの測定性能に関しての変更点はありませんが、環境保護の観点からみると重大な変更です。 プラスチック製ハードカバー使用のバージョンと比較し、カバー改良後のRS41のプラスチック含有量は47%低減し、重量は27%軽減されました。 ホワイトペーパーに記載のフライトデータ比較で、この変更内容がRS41の測定性能に影響しないことが示されています。
ラジオゾンデのシリアル番号から識別できる変更点 2017年10月 | RS41 | RS41のカバー改良 | データ継続性に影響なし カバー改良により、RS41のプラスチック製ハードカバーをEPS(発泡ポリスチレン)製のカバーに変更しています。 RS41ラジオゾンデのカバー改良による、サウンディング操作とラジオゾンデの測定性能に関しての変更点はありませんが、環境保護の観点からみると重大な変更です。 プラスチック製ハードカバー使用のバージョンと比較し、カバー改良後のRS41のプラスチック含有量は47%低減し、重量は27%軽減されました。 ホワイトペーパーに記載のフライトデータ比較で、この変更内容がRS41の測定性能に影響しないことが示されています。
2017年10月 | RS41 | RS41のカバー改良 | データ継続性に影響なし カバー改良により、RS41のプラスチック製ハードカバーをEPS(発泡ポリスチレン)製のカバーに変更しています。 RS41ラジオゾンデのカバー改良による、サウンディング操作とラジオゾンデの測定性能に関しての変更点はありませんが、環境保護の観点からみると重大な変更です。 プラスチック製ハードカバー使用のバージョンと比較し、カバー改良後のRS41のプラスチック含有量は47%低減し、重量は27%軽減されました。 ホワイトペーパーに記載のフライトデータ比較で、この変更内容がRS41の測定性能に影響しないことが示されています。
RS41とRS92のデータ継続性比較 気候学的時系列におけるRS92からRS41への切り替えの影響は中程度であると推定されています。 RS41のデータ精度が改善されたことによる平均測定値への影響は、データの一貫性または再現性への影響ほど大きくありません。 比較結果によると最も影響を受けた平均値は、熱帯気候下、特に上部対流圏の高湿度条件下における湿度測定の平均値でした。 RS92とRS41の統計的差異は、下記のホワイトペーパー「Comparison of Vaisala Radiosondes RS41 and RS92(ヴァイサラジオゾンデRS41とRS92の比較)」で、サウンディング試験結果を用いて説明されています。 Comparison of Vaisala Radiosondes RS41 and RS92636.84 KB
RS92のデータ継続性 以下の表とデータ継続性に関する文書は、ヴァイサララジオゾンデRS92ファミリーと関連する地上機器における主な変更点を示しています。 すべての場合において、測定結果に及ぼす影響がサウンディングの総合不確かさに比べて小さくなっています。関連する性能仕様はヴァイサララジオゾンデRS92-SGPのカタログに記載されています。また、影響を及ぼさないとヴァイサラが考える主な変更点については、時系列にリスト化した上で「データ継続性に影響なし」と記しています。 データ継続性の資料を利用するには、サウンディングシステムに関する以下の情報が必要です。 調査対象時間内に使用したラジオゾンデの機種とシリアル番号 調査対象時間内に使用した地上機器ソフトウェアのバージョン 識別用データは以下の資料で確認することができます。 Instructions for Reading the Radiosonde Serial Number From the Type Label62.02 KB Instructions for finding out the DigiCORA sounding software version number32.54 KB Vaisala Radiosonde RS92 technical changes24.91 KB ラジオゾンデのシリアル番号から識別できる変更点 2004年4月 | RS92 | 湿度センサの温度依存性に対する補正の微調整 | U 湿度測定における温度依存性に対する補正の改善 2004年4月6日より実用化開始 旧データは、次の式により新データに対応するよう補正することができる。 corrected humidity reading formula ここでは、 Um = 湿度の測定値 US = 飽和湿度 dUS = 飽和時の湿度補正 dU0 = 相対湿度0%時の湿度補正 T US dUS dU0 T US dU0 dUs C° %rh %rh %rh C° %rh %rh %rh 40 100.0 -1.1 -0.1 -30 74.6 0.0 -1.9 30 100.0 0.2 -0.1 -35 71.0 0.0 -2.4 25 100.0 0.5 0.0 -40 67.6 -0.1 -3.0 20 100.0 0.8 0.0 -45 64.3 -0.2 -3.7 15 100.0 0.8 0.0 -50 61.1 -0.2 -4.4 10 100.0 0.8 0.0 -55 58.2 -0.3 -5.1 5 100.0 0.7 0.1 -60 55.4 -0.5 -6.0 0 100.0 0.5 0.1 -65 52.9 -0.6 -7.0 -5 95.2 0.2 0.1 -70 50.4 -0.8 -8.2 -10 90.8 -0.2 0.1 -75 48.2 -0.9 -9.4 -15 86.5 -0.6 0.1 -80 46.1 -1.1 -10.6 -20 82.3 -1.0 0.1 -85 44.2 -1.3 -11.8 -25 78.4 -1.4 0.0 -90 42.4 -1.4 -12.8 2005年3月 | RS92-SGP | -60ºCの下限まで湿度センサのパルス加熱を継続 | U 凍結したセンサは、下層大気の詳細な湿度プロファイルを正確に測定することができません。高層大気中では、実際より高い湿度読み取り値を示します。 ヴァイサララジオゾンデRS92は、2枚の薄膜湿度センサを搭載しています。1枚のセンサが湿度の測定を行っている間にもう1枚のセンサが加熱されます。この加熱機能により、センサに対する凍結と結露の影響が低減されます。このため、雲から出た時にも信頼性の高い湿度測定が行えます。 ヴァイサララジオゾンデRS92-SGPの発売時には、ラジオゾンデの周辺温度が-40ºCに達すると交互加熱はオフになる構造でした。2005年3月以降、加熱機能が-60ºCまで持続するようになりました。この機能は、2005年にモーリシャスで行われた世界気象機関(WMO)によるラジオゾンデの相互比較にも使用されました。この改良により、気温が-40ºCから-60ºCの高湿度条件におけるサウンディングでの湿度測定の信頼性が高まりました。 2006年9月 | RS92-SGP | 湿度センサ接点のコーティング改良 | U アタッチメントの改良により、日射による温度上昇を低減しています。 相対湿度は湿度と温度の関数です。 日中のサウンディングでは、湿度センサとその接点が周囲の空気より暖かくなります。結果として、相対湿度は実際より低い数値で示されてしまいます。 このような効果は、上部対流圏と下部成層圏において、特に湿度が高い状態の時に顕著になります。このような場所でも、コーティング改良後のラジオゾンデは、以前のコーティングに比べて5~6%高い相対湿度の数値まで測定します。 この新しいコーティングは、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」で使用されました。 2007年9月 | RS92 | 温度センサの補強 | T 石英ファイバーがセンサ構造の中に一様に組み込まれています。 これにより機械的強度が5倍に増加しました。 ブームフレームがないためセンサの換気性が向上し、熱質量とセンサ表面積の増加が相殺されます。 ブームフレームを取り除いたことにより、以前のツインサウンディングに見られた温度の変動が低減されています。 この現象の詳細については右記をご参照ください。ヘビーリギング時の10hPaを超える状態における温度フィルタリング 強化型センサは2007年からご提供しており、センサの機種はラジオゾンデのシリアル番号から識別できます。 温度センサの構造 旧センサと強化型センサの時定数 2008年6月 | RS92 | センサブームのコーティング改良 | U,T | データ継続性に影響なし 温度センサの構造 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲の温度センサには変更がないため、温度測定に影響はありません。 湿度についての影響は、あるとしてもプラスの影響です。テストフライトでは生じた差異が再現性の限界内に収まっています。 この改良は2008年中頃に実用化されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からコーティング方法を確認することができます。 2010年11月 | RS92 | センサブームの接点を改良 | U,T | データ継続性に影響なし センサブームの接点のコーティング材を銅から金にすることで、接点を強化し、エイジングなどから守ります。 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲のセンサには変更がないため、この改良による温度測定および湿度測定への影響はありません。 この改良は2010年秋から徐々に実用化が開始されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からブームに使用されている接点を識別することができます。 センサブームの接点の改良(表面) センサブームの接点の改良(裏面) DigiCORA®サウンディングシステムのソフトウェアバージョンまたはユーザー設定から識別できる変更点 2005年11月 | 温度センサ用日射補正表の改訂 | T 日射補正表RSN2005 ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整 新しい日射補正は、2005年2月にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム相互比較(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」において検証されました。 日射補正表RSN2005 注: 上記の表には、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表の補正値が示されています。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 RSN2005表とRSN96表の差異 注: 上の表は、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表と最初のRSN96表との差を示しています。 ほとんどの場合で補正値が増加しているため、この変更の影響としてレポート気温を減じることになり、その結果高度を低く算定することになります。 100hPa以下の場合の変更値は0.05ºC未満であり、30hPa以上の場合は約0.2ºCになります。 2010年11月 | 地上高層実況気象通報式(TEMP)湿度測定レポートの範囲を-100ºCまで拡大 | U | データ継続性に影響なし 多くの気象機関で、通常、低温時の湿度データをTEMPメッセージから除外しています。センサの設計にかかわらず、最も一般的な低温限界は–40ºCとされています。 ヴァイサラは長年にわたり、高分子素材を使用した湿度センサの改良を続けてきました。ヴァイサララジオゾンデRS80型については、すでに性能が大幅に改善されています。そしてヴァイサララジオゾンデRS92ファミリーのセンサ品質も向上し、温度限界をなくすことを提唱できるようになりました。 ヴァイサラではユーザーに対して、RS92ラジオゾンデでは–100ºC、RS80では–70ºCに温度限界を変更するよう推奨してきました。 New Temperature Limit for Humidity Data Reporting in TEMP Message(TEMPメッセージによる湿度データ記録の新温度限界) (pdf, 53KB) 2008-08 | オゾンのサウンディングおよびヘビーリギングによるテストフライト時のサウンディングにおける10hPaを超える状態下の温度測定要件を考慮した、フィルタリング・アルゴリズムの修正 | T さまざまなサウンディング試験で用いられるテストフライト・リグに吊されるラジオゾンデの動きは、フライトで(気球に直接装着された)個々のラジオゾンデによる動きと同じではありません。 動きが遅いと気温の指示値の変動が高めになります。つまり、温度センサの温度が短い時間内に周囲空気より暖かくなります。この現象は高度が非常に高い場合にのみ見られます。 オゾンのサウンディング装置は通常のRS92ラジオゾンデよりずっと重いため、この場合にも同じ現象が起こります。 オゾンのサウンディングとリグ試験における遅い動き向けの要件を考慮して、実際の観測値をレポート値にフィルタリングするソフトウェアを改良しました。 詳細については、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」の最終報告書をご覧ください。 2010年12月 | 湿度測定アルゴリズムの改良 | U センサの反応時間および日射によるセンサの加熱を考慮に入れ、湿度測定アルゴリズムを改良しました。改良前には、日射がセンサを加熱することにより、高所での湿度読み取り値に乾燥バイアスがかかることが示されていました。 アルゴリズムの影響が最大となるのは、湿度プロファイルおよび圏界面高度に依存しますが高度約10〜15kmにおける日中のサウンディングです。 この新しいアルゴリズムは、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 熱帯条件における、カラム積算水蒸気量への影響の例 17日間の日中サウンディングおよび18日間の夜間サウンディングを含む 日中サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で59.3kg/m2、旧アルゴリズム使用で57.4kg/m2でした。 夜間サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で60.4kg/m2、旧アルゴリズム使用で60.4kg/m2でした。 熱帯条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(熱帯条件下) 高緯度条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(高緯度条件下) 熱帯条件におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 高緯度条件下におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 高緯度条件下での日中フライト(50回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。さらに同テスト結果によると、SWに基づいた新補正を有効にした場合にも、ヴァイサラRS92ラジオゾンデ湿度センサの性能は高い再現性で保たれていました。 サウンディングの再現性 新アルゴリズムを使用した高緯度条件下でのツインサウンディングと標準偏差との差異 左 = 日中、25回のフライト 右 = 夜間、5回のフライト 2010年12月 | 日射補正表RSN2010の改訂 | T ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整を行いました。さらに、日射補正アルゴリズムの改良によりフライト中のラジオゾンデの換気性が考慮されるようになりました。 新しい補正表は、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 温度センサ用日射補正表RSN2010 注: DigiCORA®サウンディングソフトウェアのバージョン3.64を対象としたRS92用の日射補正表RSN2010 上記の表に示した補正値は、気圧と太陽高度の関数です。実際の補正にはラジオゾンデのフライト中の換気性も考慮されますが、上記の表における数値は標準の換気性5m/sをもとに計算した結果です。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 温度センサの日射差異表(RSN2010 - RSN2005) 日中の熱帯条件下におけるサウンディング連続統計の例 日中における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005) 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.3m/s、標準偏差0.4m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 高緯度条件下での夜間サウンディング統計の例 夜間における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005)。高緯度条件下での日中フライト(30回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.2m/s、標準偏差0.2m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。検証により、再現性は良好なレベルで保たれていることが証明されています。 サウンディングの再現性 高度緯度条件下のフライト(25回分)でツインサウンディングによって新計算と旧計算を使用した場合の標準偏差からの差異。 サウンディングの平均上昇速度は5.3m/s、サウンディング間の標準偏差は0.3m/s。気球の紐の長さは50m。
ラジオゾンデのシリアル番号から識別できる変更点 2004年4月 | RS92 | 湿度センサの温度依存性に対する補正の微調整 | U 湿度測定における温度依存性に対する補正の改善 2004年4月6日より実用化開始 旧データは、次の式により新データに対応するよう補正することができる。 corrected humidity reading formula ここでは、 Um = 湿度の測定値 US = 飽和湿度 dUS = 飽和時の湿度補正 dU0 = 相対湿度0%時の湿度補正 T US dUS dU0 T US dU0 dUs C° %rh %rh %rh C° %rh %rh %rh 40 100.0 -1.1 -0.1 -30 74.6 0.0 -1.9 30 100.0 0.2 -0.1 -35 71.0 0.0 -2.4 25 100.0 0.5 0.0 -40 67.6 -0.1 -3.0 20 100.0 0.8 0.0 -45 64.3 -0.2 -3.7 15 100.0 0.8 0.0 -50 61.1 -0.2 -4.4 10 100.0 0.8 0.0 -55 58.2 -0.3 -5.1 5 100.0 0.7 0.1 -60 55.4 -0.5 -6.0 0 100.0 0.5 0.1 -65 52.9 -0.6 -7.0 -5 95.2 0.2 0.1 -70 50.4 -0.8 -8.2 -10 90.8 -0.2 0.1 -75 48.2 -0.9 -9.4 -15 86.5 -0.6 0.1 -80 46.1 -1.1 -10.6 -20 82.3 -1.0 0.1 -85 44.2 -1.3 -11.8 -25 78.4 -1.4 0.0 -90 42.4 -1.4 -12.8 2005年3月 | RS92-SGP | -60ºCの下限まで湿度センサのパルス加熱を継続 | U 凍結したセンサは、下層大気の詳細な湿度プロファイルを正確に測定することができません。高層大気中では、実際より高い湿度読み取り値を示します。 ヴァイサララジオゾンデRS92は、2枚の薄膜湿度センサを搭載しています。1枚のセンサが湿度の測定を行っている間にもう1枚のセンサが加熱されます。この加熱機能により、センサに対する凍結と結露の影響が低減されます。このため、雲から出た時にも信頼性の高い湿度測定が行えます。 ヴァイサララジオゾンデRS92-SGPの発売時には、ラジオゾンデの周辺温度が-40ºCに達すると交互加熱はオフになる構造でした。2005年3月以降、加熱機能が-60ºCまで持続するようになりました。この機能は、2005年にモーリシャスで行われた世界気象機関(WMO)によるラジオゾンデの相互比較にも使用されました。この改良により、気温が-40ºCから-60ºCの高湿度条件におけるサウンディングでの湿度測定の信頼性が高まりました。 2006年9月 | RS92-SGP | 湿度センサ接点のコーティング改良 | U アタッチメントの改良により、日射による温度上昇を低減しています。 相対湿度は湿度と温度の関数です。 日中のサウンディングでは、湿度センサとその接点が周囲の空気より暖かくなります。結果として、相対湿度は実際より低い数値で示されてしまいます。 このような効果は、上部対流圏と下部成層圏において、特に湿度が高い状態の時に顕著になります。このような場所でも、コーティング改良後のラジオゾンデは、以前のコーティングに比べて5~6%高い相対湿度の数値まで測定します。 この新しいコーティングは、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」で使用されました。 2007年9月 | RS92 | 温度センサの補強 | T 石英ファイバーがセンサ構造の中に一様に組み込まれています。 これにより機械的強度が5倍に増加しました。 ブームフレームがないためセンサの換気性が向上し、熱質量とセンサ表面積の増加が相殺されます。 ブームフレームを取り除いたことにより、以前のツインサウンディングに見られた温度の変動が低減されています。 この現象の詳細については右記をご参照ください。ヘビーリギング時の10hPaを超える状態における温度フィルタリング 強化型センサは2007年からご提供しており、センサの機種はラジオゾンデのシリアル番号から識別できます。 温度センサの構造 旧センサと強化型センサの時定数 2008年6月 | RS92 | センサブームのコーティング改良 | U,T | データ継続性に影響なし 温度センサの構造 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲の温度センサには変更がないため、温度測定に影響はありません。 湿度についての影響は、あるとしてもプラスの影響です。テストフライトでは生じた差異が再現性の限界内に収まっています。 この改良は2008年中頃に実用化されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からコーティング方法を確認することができます。 2010年11月 | RS92 | センサブームの接点を改良 | U,T | データ継続性に影響なし センサブームの接点のコーティング材を銅から金にすることで、接点を強化し、エイジングなどから守ります。 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲のセンサには変更がないため、この改良による温度測定および湿度測定への影響はありません。 この改良は2010年秋から徐々に実用化が開始されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からブームに使用されている接点を識別することができます。 センサブームの接点の改良(表面) センサブームの接点の改良(裏面)
2004年4月 | RS92 | 湿度センサの温度依存性に対する補正の微調整 | U 湿度測定における温度依存性に対する補正の改善 2004年4月6日より実用化開始 旧データは、次の式により新データに対応するよう補正することができる。 corrected humidity reading formula ここでは、 Um = 湿度の測定値 US = 飽和湿度 dUS = 飽和時の湿度補正 dU0 = 相対湿度0%時の湿度補正 T US dUS dU0 T US dU0 dUs C° %rh %rh %rh C° %rh %rh %rh 40 100.0 -1.1 -0.1 -30 74.6 0.0 -1.9 30 100.0 0.2 -0.1 -35 71.0 0.0 -2.4 25 100.0 0.5 0.0 -40 67.6 -0.1 -3.0 20 100.0 0.8 0.0 -45 64.3 -0.2 -3.7 15 100.0 0.8 0.0 -50 61.1 -0.2 -4.4 10 100.0 0.8 0.0 -55 58.2 -0.3 -5.1 5 100.0 0.7 0.1 -60 55.4 -0.5 -6.0 0 100.0 0.5 0.1 -65 52.9 -0.6 -7.0 -5 95.2 0.2 0.1 -70 50.4 -0.8 -8.2 -10 90.8 -0.2 0.1 -75 48.2 -0.9 -9.4 -15 86.5 -0.6 0.1 -80 46.1 -1.1 -10.6 -20 82.3 -1.0 0.1 -85 44.2 -1.3 -11.8 -25 78.4 -1.4 0.0 -90 42.4 -1.4 -12.8
2005年3月 | RS92-SGP | -60ºCの下限まで湿度センサのパルス加熱を継続 | U 凍結したセンサは、下層大気の詳細な湿度プロファイルを正確に測定することができません。高層大気中では、実際より高い湿度読み取り値を示します。 ヴァイサララジオゾンデRS92は、2枚の薄膜湿度センサを搭載しています。1枚のセンサが湿度の測定を行っている間にもう1枚のセンサが加熱されます。この加熱機能により、センサに対する凍結と結露の影響が低減されます。このため、雲から出た時にも信頼性の高い湿度測定が行えます。 ヴァイサララジオゾンデRS92-SGPの発売時には、ラジオゾンデの周辺温度が-40ºCに達すると交互加熱はオフになる構造でした。2005年3月以降、加熱機能が-60ºCまで持続するようになりました。この機能は、2005年にモーリシャスで行われた世界気象機関(WMO)によるラジオゾンデの相互比較にも使用されました。この改良により、気温が-40ºCから-60ºCの高湿度条件におけるサウンディングでの湿度測定の信頼性が高まりました。
2006年9月 | RS92-SGP | 湿度センサ接点のコーティング改良 | U アタッチメントの改良により、日射による温度上昇を低減しています。 相対湿度は湿度と温度の関数です。 日中のサウンディングでは、湿度センサとその接点が周囲の空気より暖かくなります。結果として、相対湿度は実際より低い数値で示されてしまいます。 このような効果は、上部対流圏と下部成層圏において、特に湿度が高い状態の時に顕著になります。このような場所でも、コーティング改良後のラジオゾンデは、以前のコーティングに比べて5~6%高い相対湿度の数値まで測定します。 この新しいコーティングは、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」で使用されました。
2007年9月 | RS92 | 温度センサの補強 | T 石英ファイバーがセンサ構造の中に一様に組み込まれています。 これにより機械的強度が5倍に増加しました。 ブームフレームがないためセンサの換気性が向上し、熱質量とセンサ表面積の増加が相殺されます。 ブームフレームを取り除いたことにより、以前のツインサウンディングに見られた温度の変動が低減されています。 この現象の詳細については右記をご参照ください。ヘビーリギング時の10hPaを超える状態における温度フィルタリング 強化型センサは2007年からご提供しており、センサの機種はラジオゾンデのシリアル番号から識別できます。 温度センサの構造 旧センサと強化型センサの時定数
2008年6月 | RS92 | センサブームのコーティング改良 | U,T | データ継続性に影響なし 温度センサの構造 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲の温度センサには変更がないため、温度測定に影響はありません。 湿度についての影響は、あるとしてもプラスの影響です。テストフライトでは生じた差異が再現性の限界内に収まっています。 この改良は2008年中頃に実用化されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からコーティング方法を確認することができます。
2010年11月 | RS92 | センサブームの接点を改良 | U,T | データ継続性に影響なし センサブームの接点のコーティング材を銅から金にすることで、接点を強化し、エイジングなどから守ります。 この変更により、製造プロセスにおいてブームの取り扱いが容易になり、生産性が向上し、品質が均一になるなど、製造性が向上しました。 周囲のセンサには変更がないため、この改良による温度測定および湿度測定への影響はありません。 この改良は2010年秋から徐々に実用化が開始されました。必要に応じて、ラジオゾンデのシリアル番号からブームに使用されている接点を識別することができます。 センサブームの接点の改良(表面) センサブームの接点の改良(裏面)
DigiCORA®サウンディングシステムのソフトウェアバージョンまたはユーザー設定から識別できる変更点 2005年11月 | 温度センサ用日射補正表の改訂 | T 日射補正表RSN2005 ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整 新しい日射補正は、2005年2月にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム相互比較(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」において検証されました。 日射補正表RSN2005 注: 上記の表には、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表の補正値が示されています。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 RSN2005表とRSN96表の差異 注: 上の表は、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表と最初のRSN96表との差を示しています。 ほとんどの場合で補正値が増加しているため、この変更の影響としてレポート気温を減じることになり、その結果高度を低く算定することになります。 100hPa以下の場合の変更値は0.05ºC未満であり、30hPa以上の場合は約0.2ºCになります。 2010年11月 | 地上高層実況気象通報式(TEMP)湿度測定レポートの範囲を-100ºCまで拡大 | U | データ継続性に影響なし 多くの気象機関で、通常、低温時の湿度データをTEMPメッセージから除外しています。センサの設計にかかわらず、最も一般的な低温限界は–40ºCとされています。 ヴァイサラは長年にわたり、高分子素材を使用した湿度センサの改良を続けてきました。ヴァイサララジオゾンデRS80型については、すでに性能が大幅に改善されています。そしてヴァイサララジオゾンデRS92ファミリーのセンサ品質も向上し、温度限界をなくすことを提唱できるようになりました。 ヴァイサラではユーザーに対して、RS92ラジオゾンデでは–100ºC、RS80では–70ºCに温度限界を変更するよう推奨してきました。 New Temperature Limit for Humidity Data Reporting in TEMP Message(TEMPメッセージによる湿度データ記録の新温度限界) (pdf, 53KB) 2008-08 | オゾンのサウンディングおよびヘビーリギングによるテストフライト時のサウンディングにおける10hPaを超える状態下の温度測定要件を考慮した、フィルタリング・アルゴリズムの修正 | T さまざまなサウンディング試験で用いられるテストフライト・リグに吊されるラジオゾンデの動きは、フライトで(気球に直接装着された)個々のラジオゾンデによる動きと同じではありません。 動きが遅いと気温の指示値の変動が高めになります。つまり、温度センサの温度が短い時間内に周囲空気より暖かくなります。この現象は高度が非常に高い場合にのみ見られます。 オゾンのサウンディング装置は通常のRS92ラジオゾンデよりずっと重いため、この場合にも同じ現象が起こります。 オゾンのサウンディングとリグ試験における遅い動き向けの要件を考慮して、実際の観測値をレポート値にフィルタリングするソフトウェアを改良しました。 詳細については、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」の最終報告書をご覧ください。 2010年12月 | 湿度測定アルゴリズムの改良 | U センサの反応時間および日射によるセンサの加熱を考慮に入れ、湿度測定アルゴリズムを改良しました。改良前には、日射がセンサを加熱することにより、高所での湿度読み取り値に乾燥バイアスがかかることが示されていました。 アルゴリズムの影響が最大となるのは、湿度プロファイルおよび圏界面高度に依存しますが高度約10〜15kmにおける日中のサウンディングです。 この新しいアルゴリズムは、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 熱帯条件における、カラム積算水蒸気量への影響の例 17日間の日中サウンディングおよび18日間の夜間サウンディングを含む 日中サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で59.3kg/m2、旧アルゴリズム使用で57.4kg/m2でした。 夜間サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で60.4kg/m2、旧アルゴリズム使用で60.4kg/m2でした。 熱帯条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(熱帯条件下) 高緯度条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(高緯度条件下) 熱帯条件におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 高緯度条件下におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 高緯度条件下での日中フライト(50回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。さらに同テスト結果によると、SWに基づいた新補正を有効にした場合にも、ヴァイサラRS92ラジオゾンデ湿度センサの性能は高い再現性で保たれていました。 サウンディングの再現性 新アルゴリズムを使用した高緯度条件下でのツインサウンディングと標準偏差との差異 左 = 日中、25回のフライト 右 = 夜間、5回のフライト 2010年12月 | 日射補正表RSN2010の改訂 | T ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整を行いました。さらに、日射補正アルゴリズムの改良によりフライト中のラジオゾンデの換気性が考慮されるようになりました。 新しい補正表は、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 温度センサ用日射補正表RSN2010 注: DigiCORA®サウンディングソフトウェアのバージョン3.64を対象としたRS92用の日射補正表RSN2010 上記の表に示した補正値は、気圧と太陽高度の関数です。実際の補正にはラジオゾンデのフライト中の換気性も考慮されますが、上記の表における数値は標準の換気性5m/sをもとに計算した結果です。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 温度センサの日射差異表(RSN2010 - RSN2005) 日中の熱帯条件下におけるサウンディング連続統計の例 日中における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005) 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.3m/s、標準偏差0.4m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 高緯度条件下での夜間サウンディング統計の例 夜間における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005)。高緯度条件下での日中フライト(30回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.2m/s、標準偏差0.2m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。検証により、再現性は良好なレベルで保たれていることが証明されています。 サウンディングの再現性 高度緯度条件下のフライト(25回分)でツインサウンディングによって新計算と旧計算を使用した場合の標準偏差からの差異。 サウンディングの平均上昇速度は5.3m/s、サウンディング間の標準偏差は0.3m/s。気球の紐の長さは50m。
2005年11月 | 温度センサ用日射補正表の改訂 | T 日射補正表RSN2005 ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整 新しい日射補正は、2005年2月にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム相互比較(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」において検証されました。 日射補正表RSN2005 注: 上記の表には、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表の補正値が示されています。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 RSN2005表とRSN96表の差異 注: 上の表は、気圧と太陽高度の関数としてRSN2005表と最初のRSN96表との差を示しています。 ほとんどの場合で補正値が増加しているため、この変更の影響としてレポート気温を減じることになり、その結果高度を低く算定することになります。 100hPa以下の場合の変更値は0.05ºC未満であり、30hPa以上の場合は約0.2ºCになります。
2010年11月 | 地上高層実況気象通報式(TEMP)湿度測定レポートの範囲を-100ºCまで拡大 | U | データ継続性に影響なし 多くの気象機関で、通常、低温時の湿度データをTEMPメッセージから除外しています。センサの設計にかかわらず、最も一般的な低温限界は–40ºCとされています。 ヴァイサラは長年にわたり、高分子素材を使用した湿度センサの改良を続けてきました。ヴァイサララジオゾンデRS80型については、すでに性能が大幅に改善されています。そしてヴァイサララジオゾンデRS92ファミリーのセンサ品質も向上し、温度限界をなくすことを提唱できるようになりました。 ヴァイサラではユーザーに対して、RS92ラジオゾンデでは–100ºC、RS80では–70ºCに温度限界を変更するよう推奨してきました。 New Temperature Limit for Humidity Data Reporting in TEMP Message(TEMPメッセージによる湿度データ記録の新温度限界) (pdf, 53KB)
2008-08 | オゾンのサウンディングおよびヘビーリギングによるテストフライト時のサウンディングにおける10hPaを超える状態下の温度測定要件を考慮した、フィルタリング・アルゴリズムの修正 | T さまざまなサウンディング試験で用いられるテストフライト・リグに吊されるラジオゾンデの動きは、フライトで(気球に直接装着された)個々のラジオゾンデによる動きと同じではありません。 動きが遅いと気温の指示値の変動が高めになります。つまり、温度センサの温度が短い時間内に周囲空気より暖かくなります。この現象は高度が非常に高い場合にのみ見られます。 オゾンのサウンディング装置は通常のRS92ラジオゾンデよりずっと重いため、この場合にも同じ現象が起こります。 オゾンのサウンディングとリグ試験における遅い動き向けの要件を考慮して、実際の観測値をレポート値にフィルタリングするソフトウェアを改良しました。 詳細については、2005年にモーリシャスで行われた「WMO高品質ラジオゾンデシステム比較観測(WMO Intercomparison of High Quality Radiosonde Systems)」の最終報告書をご覧ください。
2010年12月 | 湿度測定アルゴリズムの改良 | U センサの反応時間および日射によるセンサの加熱を考慮に入れ、湿度測定アルゴリズムを改良しました。改良前には、日射がセンサを加熱することにより、高所での湿度読み取り値に乾燥バイアスがかかることが示されていました。 アルゴリズムの影響が最大となるのは、湿度プロファイルおよび圏界面高度に依存しますが高度約10〜15kmにおける日中のサウンディングです。 この新しいアルゴリズムは、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 熱帯条件における、カラム積算水蒸気量への影響の例 17日間の日中サウンディングおよび18日間の夜間サウンディングを含む 日中サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で59.3kg/m2、旧アルゴリズム使用で57.4kg/m2でした。 夜間サウンディングにおける平均は、新アルゴリズム使用で60.4kg/m2、旧アルゴリズム使用で60.4kg/m2でした。 熱帯条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(熱帯条件下) 高緯度条件におけるサウンディングの例 日射アルゴリズムのサウンディング例 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 灰色 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 日中のサウンディング(高緯度条件下) 熱帯条件におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 高緯度条件下におけるサウンディング連続統計の例 新計算と旧計算の比較結果 高緯度条件下での日中フライト(50回分)の統計 青色 = 日射アルゴリズムおよび反応時間アルゴリズムを使用した場合の相対湿度 0%RH基準線 = 新アルゴリズム不使用の場合の相対湿度 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。さらに同テスト結果によると、SWに基づいた新補正を有効にした場合にも、ヴァイサラRS92ラジオゾンデ湿度センサの性能は高い再現性で保たれていました。 サウンディングの再現性 新アルゴリズムを使用した高緯度条件下でのツインサウンディングと標準偏差との差異 左 = 日中、25回のフライト 右 = 夜間、5回のフライト
2010年12月 | 日射補正表RSN2010の改訂 | T ヴァイサララジオゾンデRS92向け日射補正表の微調整を行いました。さらに、日射補正アルゴリズムの改良によりフライト中のラジオゾンデの換気性が考慮されるようになりました。 新しい補正表は、2010年7月に中国の陽江で行われたWMOのラジオゾンデ相互比較でも使用されました。 注意 本アルゴリズムの適用性は、「ヴァイサララジオゾンデRS92 技術上の変更」の表に示しています。 バージョン3.64のDigiCORA®ソフトウェアで旧データベースファイルをシミュレーションする際の手引きは、こちらの文書でご覧いただけます。MW31 3.64の計算改良 温度センサ用日射補正表RSN2010 注: DigiCORA®サウンディングソフトウェアのバージョン3.64を対象としたRS92用の日射補正表RSN2010 上記の表に示した補正値は、気圧と太陽高度の関数です。実際の補正にはラジオゾンデのフライト中の換気性も考慮されますが、上記の表における数値は標準の換気性5m/sをもとに計算した結果です。 測定された気温からこの補正値を差し引きます。 温度センサの日射差異表(RSN2010 - RSN2005) 日中の熱帯条件下におけるサウンディング連続統計の例 日中における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005) 熱帯条件下での日中フライト(20回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.3m/s、標準偏差0.4m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 高緯度条件下での夜間サウンディング統計の例 夜間における新計算と旧計算の標準偏差からの差異(RSN2005)。高緯度条件下での日中フライト(30回分)の統計 青色 = 新しい計算 基準線 = 旧計算 平均上昇速度5.2m/s、標準偏差0.2m/s。シングルサウンディング、紐の長さ30m。 フライト再現性テストにより、同一大気条件を測定した際、複数の類似タイプのラジオゾンデ間における一致が実証されました。検証により、再現性は良好なレベルで保たれていることが証明されています。 サウンディングの再現性 高度緯度条件下のフライト(25回分)でツインサウンディングによって新計算と旧計算を使用した場合の標準偏差からの差異。 サウンディングの平均上昇速度は5.3m/s、サウンディング間の標準偏差は0.3m/s。気球の紐の長さは50m。