会長からのメッセージ 世界的な課題へのソリューション 世界的な課題へのソリューション ヴァイサラ創立80周年記念の年に、数多くのヴァイサラの社員、お客様、そしてパートナーの皆様とお会いする機会を賜り、当社の事業がいかに意義深いものであるかを、改めて実感することができました。 あらゆる進歩の中心には科学があり、正確で信頼のおける測定手段なくしては、私たち皆に関わる世界的な課題への科学的ソリューションを見つけることはできません。ヴァイサラは、この世界の仕組みをより深く理解するための技術を創り出しています。ヴァイサラは、ハリケーンや洪水の発生地域にいる人々への警告や、保育器内で未熟児をインキュベーター内で安全を守れるようにするなど、さまざまな分野において、人々の日常生活の安全を支えるツールを社会に提供しています。 これが、ヴァイサラの事業を動かす目的です。ヴァイサラが世界にもたらす価値の大きさは、企業規模をはるかに上回ります。ヴァイサラは、現在と将来にわたって世界に変化を及ぼすさまざまなメガトレンドにより直接的な影響を受けており、またその対応に貢献しています。個人的には、最も破壊的な潮流は、都市化、デジタル化、そして根本的には気候変動であると考えています。 今現在も続いている都市化は、そもそも本質的に持続不可能です。未来を想像する際には複雑なインフラ構造の備わったスマートシティを思い描きますが、都市化が最も進んでいる場所においては、これは現実からほど遠い贅沢です。空気の質、クリーンエネルギーの不足、安全な交通など、厳しい試練に直面しています。ヴァイサラの計器は、このような日々の問題の解決を助けます。 都市部では何百万人もの人々が空気の悪さが健康に及ぼす影響を懸念している中、ヴァイサラは新規開拓事業として、都市部における大気質測定の分野において市場参入を進めています。高密かつ比較的安価なモニタリングネットワークによって、世界中のあらゆる都市に住む人々の生活の質が改善されるでしょう。 またデジタル化によって、あらゆるものが測定される傾向にあります。ヴァイサラはこの発展を、モノと人が関わり合う方法や、物事への対処方法を変えるチャンスであると受け止めています。ごく一部の例を挙げると、交通、ビルディングオートメーション、スマートグリッド、産業プロセスにおける測定などの分野において、接続型センサの需要は今後急増するでしょう。 気候変動が異常気象に拍車をかけ、事態は社会に広く蔓延し、それに伴うコストも増加しています。1.5°C目標がさらに遠ざからないよう、効率的な対策技術によって備えを開始しなくてはなりません。ヴァイサラは、危機的な気象事象に対する全国気象サービスの準備対策を支援し、さらには長期的で信頼性の高いデータ測定によって正確な気候研究をサポートしています。 ヴァイサラの事業は、環境におけるあらゆる種類の要素を理解するためには測定の必要があり、また可能な場合には制御が必要であるという断固とした信念によって支えられています。ヴァイサラの仕事は、資源と人命を救い確保するという目標のもと、このような環境への理解を築くため、最高のツールをご提供することです。 2017年3月、ヘルシンキ Raimo Voipio 取締役会長