ヴァイサラ HMT370EXシリーズで危険場所や爆発の危険性のある環境を安全に監視 Juhani Lehto OEM製品プロダクトマネージャー Published: Feb 23, 2021 産業製造・プロセス 産業計測 危険場所において運用する湿度温度計測装置は、「本質安全防爆」であることが不可欠です。つまり、装置と配線が発火を引き起こすような電気エネルギーまたは熱エネルギーを放出することがないという認証を受けている必要があります。ヴァイサラ HMT360シリーズは、ゾーン0の領域であっても湿度と温度を安全かつ確実に計測でき、数十年にわたって危険場所で作業されるユーザーから信頼されてきました。新しい本質安全防爆のヴァイサラ HMT370EXシリーズは、HMT360シリーズと同様に安全で信頼性の高い計測データを提供でき、いくつかの重要な新しい利点を備えています。 信頼性ある設計のさらなる改善 HMT360シリーズとの違いは、HMT370EXシリーズはデータとトレンドが確認できるグラフ表示機能を備えており、時間経過とともに温度と相対湿度を監視することが非常に簡単になります。また、新たに筐体の表面を陽極酸化処理することで耐腐食性が向上しており、これは海上での用途では大きなメリットとなります。粉塵を伴う環境に設置するにあたって、HMT370EXシリーズのハウジングは、保護用の防塵カバーは不要です。また、粘着ラベルの代わりにレーザーマーキングが使用され、安全情報と識別情報が判読できなくなるということが発生しないため、安全性が大幅に改善されています。 HMT370EXシリーズは無料のヴァイサラ Insight ソフトウェアと互換性があり、設定と校正も簡単です。HMT370EXシリーズは、最先端のHUMICAP®R2センサなど、一貫して最新の素材と部品が採用されており、長期的に安定した計測と耐腐食性を実現します。また、湿度計測性能も向上しています。長期の製品寿命を確保するために、堅牢で頑丈な設計を徹底的にテストしています。 安全で高品質の仕上がりを実現 HMT370EXシリーズ一式は、ゾーン0を含むあらゆる危険または爆発場所に設置できます。そのような環境の1つに自動車産業の塗装ブースが挙げられます。そこでは相対湿度と温度の両方を計測し、平らで均質な塗装に確実に仕上げることが重要ですが、自動車に使用する溶剤には高い可燃性があります。HMT370EXシリーズは、こういった環境で本質安全防爆であることが事前に承認され、高品質の仕上がりを確保できる水準に相対湿度と温度を維持することができます。 HMT370EXシリーズのもう一つのよくある用途は、医薬品製造での錠剤コーティングプロセスです。このプロセスでは、微粉末を噴霧して錠剤をコーティングし、表面を均一に仕上げます。この種の微粉末は爆発する可能性があるため、本質安全防爆機器が不可欠です。HMT370EXシリーズで湿度と温度を監視することで、粉末が凝集することなく、コーティングをスムーズに適用できます。また、粉末が過剰な水分を吸収して薬品の品質や保管可能期間が損なわれるということがなくなります。製パン所や製粉所においても、最終製品の品質を確保し小麦粉塵の可燃性から保護するために、湿度と温度を計測する必要があります。可燃性の微細な研削粉塵に関する同様の問題は、家具製造などの他の多くの業界でも見られます。 水素冷却から石油やガス向けの用途までに対応 水素冷却発電機は、腐食を防ぐために水素を非常に乾燥した状態に保つ必要があり、相対湿度と温度を常に信頼性の高い方法で計測することが不可欠です。また爆発の危険性もあるため、事前承認された機器も必要です。石油および石油プラットフォームも特定の危険場所であることや、海上での仕様でも容易に対応できるように、本質安全防爆装置を必要とすることがあります。例としては、HMT370EXシリーズは海上のヘリコプター甲板で飛行状態を監視する際にも最適です。燃料タンクや化学薬品の保管の場合、HMT370EXシリーズを専用センサとしてオイル内水分を計測することで損失を防ぎ、製品の品質を維持することができます。 HMT370EXシリーズの詳細および用途への適性については、HMT370EXシリーズ製品ページをご覧いただくか、またはお問い合わせください。